ワンコの躾に使われるクリッカー。 日本で名前が知られるようになって、実際に使われ始めたのはまだ10年ちょっとくらいですかね。
子犬(あるいは成犬でも)を迎えて、躾け方などを学ばれる方は一度は耳にしたことがあると思います。
こんなの(出典:Amazon)↓
このクリッカーによるトレーニングは、教える側のニンゲンがその使い方をちゃんとマスターすればものすごく合理的に、的確にワンちゃんに何を学んでもらいたいのか?という意味を理解してもらって上達を早めるテクニックになってくれます。
「クリッカーはトレーニング方法の一つで、その方法を使いたければ一から十までクリッカーで教えてあげないとダメなの?」とか、「まずはクリッカー自体の使い方を訓練士やしつけインストラクターなどから学ばないと使えないんでないの?」とかって思われてる方多いですが、そんなに敷居の高いもんじゃありません。
もちろん使う側のニンゲンがちゃんと使い方やタイミングを心得ていないと、肝心の”教えたいこと”が正しくワンちゃんに伝わらないばかりか混乱させてしまう場合もありますので、ポイントだけはしっかり理解しておかなくてはなりませんけど。
クリッカートレーニングに適した飼い主と犬のタイプ
うまく使いこなせば簡単に楽しくトレーニングを進められるクリッカー、特にこんなタイプの飼い主さんやワンコならオススメなんじゃないかなーと思います。
トレーニングに適したワンコ
- 食欲が旺盛
- ふつうのしつけ教室で行われるような、飼い主さんがオヤツ使って褒めたり叱ったりするような教え方では集中力がキープできないワンちゃん
- まだ本格的なしつけトレーニングを経験していない、ド素人状態(笑)のワンちゃん
- オヤツなどを持っていないときに、ちゃんと飼い主さんに注目してくれない(=気が散りがち)なワンちゃん
クリッカートレーニングでは目的をクリアしてくれたときに必ずトリーツ(ご褒美のおやつ)を伴いますので、まずは健康で食欲旺盛なワンちゃんであることが望ましい第一条件です。
クリッカートレーニングを取り入れてほしい飼い主さん
- ガッツンガッツンと犬にショックを与えて命令したりする陰性指導なんてヤだ!と考える
- 躾は訓練士さんやインストラクターなどに頼るのではなく、自分でちゃんとワンコと向き合ってやりたいーと考えてる。←それ正しい!
- ワンちゃんを褒めたり叱ったりするタイミングが良くわかならなかったり、明らかにタイミングがズレてるように感じてる
- 高い声やオーバーアクションでワンちゃんを褒めたりするのは苦手
クリッカートレーニングはふつう一回あたり数分程度のセットで行う、ちょっとしたゲーム感覚のトレーニング方法です。
もちろんお家の中で行えますーというか、クリッカーはあくまでも音で知らせるトレーニング法なので、ワンちゃんが慣れて集中できるようになるまでは他の雑音が気になりにくい家の中・屋内で練習する方が良いでしょうね。
日本人は外国人みたいに大きなアクションや声の変化を伴いながら「グーーッド!!」とか「オゥケェ~~イ♪」みたいなこと言いにくいヒト多いですし、何よりも褒めるタイミングがズレちゃったらワンコにしたら何褒められてるのかもわからないってことになりがちです。
その点正しくクリッカー使えばそんなオーバーアクション使わなくても「良いことと、そうでないこと」の区別が瞬時にワンコにも伝わるわけです。
クリッカートレーニングの始め方
トレーニングに必要なもの
クリッカー
クリッカーはペットショップやホームセンターのペットコーナーなんかでも最近は取り扱われてるので、お店で入手可能な方は実際に商品見て購入されたら良いかと思います。
ネットショップでもいろんなタイプが多数取り扱われてますので気に入ったものを入手してみてください。
例えばこんなの(Amazonで購入できます)
おやつ・トリーツ
小さめで、ワンちゃんが一口でパクっと食べれるサイズにカットしたおやつを用意します。
普段の食事に使ってるフードでもいいんですが、やはりトレーニングの「ご褒美」ということを伝えるためにも嗜好性が高いもの、いわゆるトレーニングビッツのようなおやつの方がワンちゃんのモチベーションも上がります。
チャージング
クリッカートレーニングを始める一番はじめにだけ、「チャージング」というプロセスでワンちゃんにクリッカートレーニングの楽しさを知ってもらうことが上達の肝です。
- 静かな環境でワンちゃんと向き合う。
- ワンちゃんが何もしていない=ニュートラルな状態でクリッカーを一回カチッと鳴らす
- すぐに(1秒くらい)トリーツをあげる
この一連の流れを30秒以内でまとめて行います。
ワンちゃんが何か特別な動作~例えば立ち上がったとか、吠えたとか、そういったことをした直後はクリッカーを鳴らしてはいけなせん。とにかくニュートラルな状態のときに「クリック→おやつあげる」です。
実際にその様子をまとめてくれてる動画ありましたのでご参考までに。
クリッカートレーニングその第一歩
チャージングで「クリッカーの音がなる→ご褒美が出てくる=うれしいことがある」とワンちゃんに理解してもらえたら、あとはいろんなトレーニング~例えば「スワレ」とか「フセ」とかをマスターするためにクリッカーを利用していけばいいんです。
特に一番最初におすすめしたいトレーニングは「アイコンタクト」ですね。
飼い主さんとの信頼関係のバロメーターであり、すべてのコマンドに先んじて必要なのがこのアイコンタクトだから。
それに教え方も他の躾やトリックなんかに比べて圧倒的に簡単だからです。
これもベーシックなクリッカートレーニングの紹介をしてくださってる動画あったのでちょっとご紹介。
冒頭の40秒くらいにアイコンタクトを理解してもらうための一連の動作をまとめてくださってます。
飼い主は無言でワンちゃんを見つめます。
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キョロキョロしてるワンちゃんが飼い主さんの顔に注目した瞬間にクリック
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すぐにトリーツをあげる
…この動作を30秒くらい続けてます。
ただそれだけ。
ボクがお勧めしたいのは、このトレーニングでさらに「ワンちゃんの名前を呼んで注目させる」という動作を加えることです。
なぜかというと、実際に屋外で遊んでいたりするときにワンちゃんは常に飼い主さんの方に注目しているわけではないんで、例えば遠隔でも名前を呼んだときには100%こちらを振り返って次のコマンドを待ってもらう必要があるからです。
よくワンちゃんが楽しそうに走り回ったりしてるときに飼い主さんがいくら名前を叫び続けてもこっちを振り返ることもなく暴走…ってシーン見ますが、そんな状態で”ストップ!”とか”マテ!”とか叫んでも通用するわけありません。
どんな時でも名前が呼ばれたら飼い主さんの方を振り返って、次のコマンドを待つ、もしくは飼い主さんに方に戻るーそんな関係がしっかりできていたら危険な事故なども回避できるはずです。
ちなみに名前を呼ばれたときにアイコンタクトさせるためのトレーニングならば上記の動画の方法を応用して次の手順で教えてあげることができます。
STEP1:飼い主の足元にボールや玩具などワンちゃんが興味を示すものを転がす
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STEP2:ワンちゃんがその玩具に気をひかれたり、遊んだりしている最中にワンちゃんの名前を呼ぶ
★一回でこちらを見ない場合には一呼吸置いてからもう一度名前を呼びます。連呼しちゃダメ。
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STEP3:ワンちゃんが飼い主さんの目を見たらすかさずクリッカーをクリック
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トリーツをあげる。
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足元のボールを足先などで転がして、またそちらに注目させる。
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STEP1に戻る
…といった具合です。
間違ってクリッカーを鳴らしてしまったときには、慌てずに無表情のままでトリーツをあげてください。クリック&おやつは必ずセットです。
もしクリック音がしたのにおやつがもらえない…ということになるとワンちゃんが混乱したりトレーニングのモチベーションが下がってしまいます。
ワンちゃんと新しいことに挑戦しようと思われる方は、ぜひクリッカーを利用してのトレーニングにチャレンジしてみてください。
また機会があればフリスビードッグ・フリースタイルのトリック練習にクリッカーを使う方法なども書きたいと思います。
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